HOME > 病名検索 > 緑内障 > 原因・症状・メカニズム
緑内障の原因・症状・メカニズム
原因

かつて緑内障は眼の中の圧力が高いことが原因と考えられていましたが、眼圧が正常範囲であっても緑内障に罹患している患者が多いことから、視神経乳頭の脆弱性が緑内障の原因として考えられています。


  • 近視
  • 遺伝
  • 糖尿病、高血圧、低血圧、甲状腺機能亢進症、糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症、白内障、落屑症候群
  • 小眼球症
症状

緑内障では、一般的に自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。

時間が経つほど治りにくくなりますので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。急性閉塞隅角症は突然激しい眼痛・頭痛を生じます。早急に加療を行わなければ、視神経障害から緑内障となります。

それ以外の緑内障の場合には、一般には末期に至るまで自覚症状はなく、緑内障においては末期に至るまで視力障害は生じにくいです。末期緑内障において視力低下、視野狭窄を感じます。


  • 視力低下
  • 視野狭窄
メカニズム

緑内障の場合、何らかの原因により視神経乳頭内の篩状板が変形し、その中を通過する視神経線維が物理的に圧迫され、逆行性軸索輸送による神経栄養因子の輸送が阻害されて神経節細胞が死滅します。視神経線維の脱落にともないその部分に該当する網膜の感度低下から視野欠損が起こり、緑内障の進行にともない視神経乳頭の変形と視野異常が進行します。

視神経乳頭が変形・陥没していく原因はいまだ明らかではないが、眼圧の物理的圧迫によるという眼圧説や、正常眼圧緑内障患者に片頭痛やレイノー現象が多いことから視神経乳頭部の血流異常が関与しているという血流説、緑内障を引き起こす遺伝子異常がいくつか報告されていることから視神経の脆弱性が緑内障の発症に関わっているという説などがあります。

その他にも、自己免疫疾患の関与、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患との関与、ヘリコバクターピロリ感染と緑内障の関与などもあります。

鍼灸治療のメカニズム

2006年に「中国医学科学院」の緑内障針治療研究結果では行間穴に強い刺激を与えると、すぐに、78%の眼圧高型緑内障の眼圧が下がり、持続時間は約7~41時間でした。

緑内障患者のツボに電気針で刺激すると電気信号は網膜にある視細胞のところで、電気エネルギーに変えて、視神経の再生を促進します。電気信号はまた視神経の中を伝わり、後頭葉にある皮質視中枢に達し、さまざまな効果をきたします。閉鎖している毛細血管が再開し、細胞に栄養を与え、代謝を促進させます。